あおみかんのブログ

フリーランスのIT系エンジニア。ゲーム制作スタジオ4th cluster代表。

ニール・ブロムカンプ監督の「エリジウム」ネタバレ感想

※ネタバレ注意

夜の上演でしたが、せっかく公開日に見たので感想を書いておきます。
私はニール・プロムカンプ監督の作品は第9地区以外には見たことがないので、ややそれとの比較のような記事になります。

第9地区と比べて

第9地区と比べると、前より高額の予算がかけれているようで、映像は格段に綺麗になりました。
内容については、第9地区のほうが世界観・シナリオ共に優秀だったかな、というのを感じます。

風刺

第9地区ではヒスパニック差別の問題が隠れたテーマになっていました。
まぁ、SFでそういう社会風刺をするのはH・G・ウェルズのタイム・マシンの頃からのお家芸なので、じゃんじゃんやってほしいと思います。
本作では富裕層がコントロールしているロボット警察に逮捕されている主人公が、ロボット工場で働いていて、そこで起きた事故が発端となり話が進んでいきます。 この辺りは王道で、なかなか良かったと思います。

勧善懲悪?

第9地区では、貧困層を使えないのにも原因があるし、虐げたくて虐げている訳ではない、より根本的な社会問題である、という様な描き方をしていたと思います。 これに対してエリジウムでは、貧困層が悪いのだと、富裕層を倒せば貧困層は救われるのだと、そういう幻想をそのまま描いています。
富裕層が悪で貧困層が正義ってのはどうなのかなぁ、ということを、見た直後は思いました。

これはハッピーエンドなのか? 否。

頭を冷やして考えてみると、富裕層が作っているハリウッド映画という立場からこういう話を提示する事自体が強烈な皮肉になっているのでいいのかもしれません。
そこまで考える人は稀だし、もう少し分かりやすくそういった問題を提示しておいて欲しかったと思います。
まぁ、監督は入れたかったのにハリウッドの偉い人たちに反対されたので、深読みすると本当のテーマが分かるようにしておいた、とかも十分に考えられますけどね。

個人的には、スタッフロールの後のカットとかでも良いので、貧困層を救おうと動き出したエリジウムが崩壊していく様子を描いて欲しかった。

この後「エリジウム」が崩壊するのは間違いないでしょう。 それを敢えて全く描いていないのは、何とも面白い作品だと思います。

「アイランド」と似てね?

見た直後はアイランドと似てるなーと思ったんですが、よくよく考えてみるとラストシーンのあとで訪れる世界が全然違いますね。
アイランドは普通に人権獲得してめでたしめでたしというハッピーエンド。エリジウムは崩壊するバッドエンド。

総評

見た直後は「なんだ、いつものハリウッド映画になっちまったな」とか「第9地区に比べて落ちたな」とか思ったんですけど、よくよく考えるとそうでもなかった。 おすすめです。 見ましょう。

第9地区 [Blu-ray]

第9地区 [Blu-ray]

… 思ったより安い。。買おうかな。。