あおみかんのブログ

フリーランスのIT系エンジニア。ゲーム制作スタジオ4th cluster代表。

AknEpは(大学院を)2度辞める 〜つくばから愛をこめて〜

本記事は「はぐれ学生Advent Calendar 2013」 http://www.adventar.org/calendars/131 という企画のひとつです。
本企画では「はぐれ学生」とは、大学などの学校を中退、休学、留年した方、また、仮面浪人やちょっと変わった進路を選んだ方などを指すことにします。

はぐれ学生 Advent Calendar 2013 - Adventar より引用

そういうわけで、はぐれ学生Advent Calendar 2013 の最初の記事を始めようと思います。

自己紹介

2007年に筑波大学の工学システム学類に入学し、4年で卒業したけれど、その後ふらふらと特殊な人生を歩むに至りました。
Twitter ではあおみかん@AknEp として、日々くだらないことを書きなぐりながら、ノベルゲームを作ったり、勉強会のようなものを主催したりしています。 また、最近はフリーランス専業でIT系のことを幅広く請け負っています、最近はiOSアプリの開発が中心です。会社に就職する気はありません。 僕が次に会社に所属する時は創立者の一員、それ以外の選択肢は考えていません。

はぐれ学類生としての僕(2007年〜)

高校時代の僕は、人工知能(AI)がやりたかった。当時から自宅サーバーを建てたり軽くHSPPHPを書いたりしていたので、ハードウェアよりもソフトウェアに興味や適正があるのは分かっていたのですが、何となく調べて良いかなと思った工学システム学類を志望していました。

エージェントアプローチ人工知能 第2版

エージェントアプローチ人工知能 第2版

当時は意識が高くて、こんな本(の初版の方)も読んでみたりしてたけど、途中で挫折しました。そもそも辞書みたいなもので、頭から順に読む本ではないよなぁ… あたしってほんとバカ……

なぜ工学システム学類を選んだか。

興味を持っていた事のイメージから、まっさきに学類のWebサイトを見て、膨大な項目の一要素ではあるけれど、自分が求めている項目ががあるからきっとここでいいのだと思って志望しました。 オープンキャンパスに参加したのですが、これが学類毎に実施されるので、情報科学類と両方に行くことは難しかった。 ……情報科学もしくは情報メディア創成の方が適正に合ってたんだろうなぁ。

学類時代は何をしていたか

そういった状況で、学類時代は「学類選び間違えたわ〜」と言いつつ殆ど学類に友達を作れず情報系の方が友達が多い状態になってしまい、もっぱらWebアプリケーションばかりを学ぶようになっていきました。 成績も1年生の頃は良かったのですが、2年生からはイマイチでしたね。 やっぱ、あんまり興味を持てなかったよ工学。 ……学類はよく考えて選ぶべきでした。

学類時代とくに集中的にやっていたのは、WordPressのテーマ作成をバイトでやっていたのと、学園祭用のWebシステムの構築でした。これらのノウハウは今のフリーランス事業にもつながっているので、やっておいて良かったな、と思います。*1

大学院に進学しようとした理由(2010年ごろ)

大学院に進学したのは、大半が大学院に進学するからです。それだけでした。かなり意識が低空飛行している時期ですね。

大学院への進学者も多く、その割合は70%以上になります。

http://www.esys.tsukuba.ac.jp/gakusei_info/shinro.html より

大学院受験が行われる時期の都合上、学部4年生の夏までには進学するか否かを決めておかなければなりません。 この時点では研究活動を自分でこなした経験がないので判断材料に乏しい状況の決定になり、判断ミスを誘発しやすいと言えるでしょう。

大学院進学に関する説明会では「工学を修めるには最低でも修士は出ていて欲しい」みたいなことを言われたことも印象深いです。 じゃあ、なんで医学部みたいに6年制にしないんですかねぇ。 *2

最初に大学院を辞めた経緯(2011年)

最初に大学院を辞めた理由は、自分の研究を進める事に意義が感じられなくなって、研究が進まなく、ゼミでの発表内容が纏まらないままゼミ日を迎え、先生からお叱りを受け、そのまま落ち込んだ。 …こんな所でしょうか。 結局他のこと(ゲーム制作やアルバイトのiPadアプリ開発)に没頭していきました。
研究が進まなくなったもう一つの理由としては、奨学金の話があります。 僕は学部の成績が悪かったので、奨学金は2種しか通らなかったのですが、先生はまさか2種しか通っていない人間がいるとは思わず、学生のやる気を換気するために「研究を頑張ると奨学金の返済免除とかもあるから頑張ってください」ということをよく言っていました。 2種はこの対象にならないと知った時には、なんだか急に研究をしようという意欲がなくなったのは今でも記憶に残っています。
そういった意欲のない状況でだらだらと大学院にいる意味はないだろうと思って、(制度上はお金がかからず、復学の目もあるということで)休学することにしました。 この後1年間ほどの間はベンチャー企業iOSアプリとか書いてました。

二回目に大学院に入った理由(2013年)

仕事をはじめてみて、その会社がまだ出来たてほやほやで体制が整ってなかったとか、初めての就労経験にしては研修ゼロで全てを自己マネジメントするのが難しかったとか、色々理由はありますが、仕事が嫌になり、大学の頃の様な生活に戻りたいなぁと思うようになりました。 仕事をしていく中で自分の能力も色々と高まってきたし、今の自分になら大学院での生活を遂行し、卒業することも出来るだろうと思いました。こう書くと何だか見積もりが甘いだけに見えるのですが、当時はそれほど思考が整理されていませんでした。

また、幼少期から理科は好きで、研究者への憧れもありました。 なんだか諦めきれなかったんですね。 もう一回やったら案外さくっと上手く行くかもしれない、諦めるにはまだ早い、そう思いました。 研究ではテーマ選びが重要になりますが、自分で思いついたテーマがあった、というのもあります。

専攻を移ることで、学類時代からくすぶっていた「学類を間違えた!」の回収もできて、晴れてコンピュータサイエンスの学徒となりました。

しかしながら、結局は1回目に辞めたのとほとんど同じく、他のこと(兼業フリーランス)に没頭して研究が全然進まなくなりました。
先生からアドバイスをいただきながら研究を進めることが、顧客の要望に応える受託開発と重なってきて、何だかこれでお金が稼げないのってどういうことだ?という様な気持ちになった、というのもあります。もちろんこれは根本的に異なるのですが、表面的には似たような感じがしました。
また、1回目とは違って学費を自分で払う必要があることや、修士二年になってからの生活費をフリーランスでの活動で稼ぎきらなければならないといった事情によって、金銭感覚は鋭敏になっていました。 金銭的に余裕がなかった事もこういったトラブルに対し火に油を注ぐような結果をもたらしたのだなぁ、と思います。

補足みたいなもの

今思い返すと、1回目の研究室でお世話になった先生方も、2回目の研究室でお世話になった先生方も、とてもよい先生方です。 直接的に関わった以外の方々にも、嫌な人は全然いなかったです。
ひとえに僕の努力不足、あるいは適正不足。 あるいは学術系を志していない人間が学術研究をしても得るものが少ないとかそういった事情かもしれません。

また、こういった経験がそれほど無駄になったとはあまり考えていなくて、大学において様々な人と触れ合う事ができたおかげで、情緒的にも思考的にも成長する事は出来ました。 それを実感するからこそ、コレ以上、大学院にいることもないだろう、という考えに至りました。

僕から皆さんに言いたいこと

とくに学部生で大学院に進学したい方に向けた、ちょっとしたアドバイスをしたいと思います。

周りに流されて大学院に進学するのは良くない

大学院は決して大学学部の延長ではありません! メインの活動が、授業を受けてテストを上手くこなすことから、研究成果を出すことに変化します。 学部の居心地が良かったからといって、大学院の居心地がいいとは限りません。
ほとんどの分野では論文が読めなきゃ話になりませんから、英語力もそこそこ必要です。
学部よりも一つのことに集中する期間が長いので、飽きっぽい性格の人には恐らく向いていません。
先生方の指導には大きな価値がありますが、出戻りは多いので気長に根気よく努力することが求められます。

経済的な基盤が必須

大学院に行くには何らかの経済的な基盤が必要です。
結構な金額まで借りれるので奨学金を借りてもいいのですが、出来れば1種が良いです。免除を目指した努力が出来ます。 そのためには学部時代の成績が大事です。 学部時代の成績と研究能力にはあまり相関がないという噂も効きますが、奨学金制度はそれとは無関係に運営されています。

実家が裕福な方でしたら、親御さんに頼るのも良いでしょう。

また、上記を満たさないけれど何が何でも研究がしたい、ということであれば2種でも良いでしょう。将来的に少し返済金額が高くなりますが、いろいろな意味でそれを巻き返すことは可能だと思いますし、何より研究をするのであれば大学院に行く以外の手段は殆ど皆無ですから、仕方ありません。

しかし、ただでさえ大変な大学院。 他の仕事(バイトでもそれ以外の方法でも…)をしながら研究を進めるのは難しいです。
お金を稼ぐのと研究を進めるのとでは、往々にして違う考え方が求められますから、自分の意識の切り替えをするのが難しいでしょう。 これが上手に出来る人は出来るかもしれませんが、出来なかった僕はおすすめしません。

あとがき

何だか一貫してカネに困ってたんだなぁという感じがします、家が裕福ではないので仕方ないですね。
また、何だかネガティブな要素が多い書き方になってしまいましたが、結果的には少ないストレスで尚且つ自分の能力を活かして活動できる立場に落ち着きつつあると思います。
小さい頃から「目上」の方の言うことを黙って聞くことが出来ない性格だったので、会社で上司の言うことを聞き続ける生活にも耐えられなかっただろうと思います。 学類時代にIT開発系の経験をしていたことで、僕は逃げ道を手に入れることが出来ました。 逃げ道がないまま大企業に入り、そこが自分に合わない環境だったらいったいどうなっていたことか……

崖に突進していく群れから「はぐれ」ることが出来て良かったです。

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タイトルは007ネタでした。特に007が好きという訳じゃないけど、たまに見たくなりますね。

次回予告

僕の次は 2982102 さんの「大学辞めて別の大学に編入したよ」ですね。 面識のない方の記事なので、どんな内容になるか全く予想がつかなくて、楽しみです。

追記(12/1 22:34)

皆さんから様々な反応を頂いております。まずは、読んでいただいた事に感謝申し上げます。

大学に来る以前は人とのコミュニケーション一つとってもトラブル続きでしたが、大学に来ることで様々な経験を積むことが出来ました。 そういった経験が出来た場として、つくばという土地には非常に愛着があります。
そんな訳で、筑波大学を舞台にしたノベルゲーム「Campus Notes」シリーズ(左サイドバーにリンクがあります)なども制作しているぐらいには、大学を愛しています。 寧ろ、そうであるからこそ、特に僕より後に僕と同じような過ちを犯す人が出てこないよう、こういった形で公開しているわけです。
皆様の進路決定の参考になりましたら幸いです。
また、関係者の皆様には腑に落ちなく思える点もあるかと存じますが、どうか目を瞑っていただければ幸いです。 どうしても、という際はコメント欄にてご指摘いただければと思います。

追記(12/3 1:50)

どうも各所の反応を見ていると「自分向いてないのかなぁ」と早計に院進を諦めている人が多いように思うので少し補足したいと思います。

僕の場合、上記のように研究職への興味があったので、当時こういったエントリを読んでも大差ない進路を辿ったと思います。 異なる学類に入っていたり、学部時代に知り合った人が違ったりしたら、案外博士後期にまで進学していたかもしれません。 ちょっと出生が違ったらもっと大きく変化したでしょう。
ただ、ひとつ重要な点として入学前の僕は、大学院に進学するとどのような教育を受けられるのか、どういった能力が身につくのか、どういった行動が求められるのか、といったことをよく理解しないまま、大学院へと進学してしまいました。これが、良くなかったわけです。
もちろん資質という条件もありますが、僕は試験はパス出来たわけですし、開発系の英語ドキュメントは日々読んでいるわけで、実は大幅に能力的な不足があるとは思えないんですね。 むしろ思想や性格、あるいは環境的な要因が大きいと言えるでしょう。
院進するかしないかで悩んでいる方は、ぜひしっかりと悩んで下さい。 悩む時間はせいぜい累計でも数十時間でしょうから、僕みたいなことになるのに比べれば、全然もったいなくなんかありません。 あなたが持つありとあらゆる人脈、手段を使って情報収集をしてみるべきです。 大学院セミナーや修士/博士論文の公聴会を見学に行くのも大変良いですし、研究室のゼミを見学するのも効果的です。

どうか悔いのない決定を。

そして、既に院に進学して失敗したなーと思っている人へ。
大企業に行くだけが人生じゃない。新卒入社なんてクソ喰らえですよ。 僕は今のフリーランスで自活している状況に大変満足しています。
少し工夫すれば、そういった風にも生きられるのだなぁ、と、心に留めておいてください。 進学した後に研究が全然上手く行かなかったら、後から他の道を探してみても良い。僕はそう思っています。

*1:まぁ、逃げ道がなければ大学院を途中で辞めたりしなかったんじゃないか、という話もあるんですけど。

*2:というか、4年で一区切りつくようなカリキュラムを組み立てておくべきでは? こういうのって学部で出て行く学生に対して失礼だと思います。学類のウェブサイトにもあんまりそういう書き方はされていないんだよなー