あおみかんのブログ

フリーランスのIT系エンジニア。ゲーム制作スタジオ4th cluster代表。

会社設立freeeが合同会社に対応したけど使わなかった理由

「会社設立freee」が合同会社に対応したということで、定款の出力が出来る所までフォームを埋めてみました。 PDFの定款が吐き出させてきたけど、イマイチだったので羅列します。

  • 商号の英語表記が書けない。 *1
  • 現物出資が不可能
  • 会社の対外的な目的で代表社員を「社長」と称することは好ましいが、これが出来ない
  • 相続の所が致命的。後述する。
  • 以下の相対的記載事項が書かれてない。 *2
    • 定款の備置き(会社法第31条)
    • 競業の禁止(会社法第594条)*3
    • 業務及び財産の状況の報告義務
    • 計算書類の作成
    • 配当

まぁ任意的記載事項がたくさん書いてあると、プロからすればチェックすべき部分が多くなるのでかえって鬱陶しいのかも知れませんが。 果たしてfreeeで会社を設立した人が、この辺りについてきちんと理解しているか不安。 特に競業はうっかりやっちゃって後からトラブルになっても、知らんぞ、っていう…感じが………

なぜ相続の所が致命的か

freeeの吐き出す定款PDFファイルにはこうある。

社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合においては当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継することとする

これは非常に危険だと僕は思う。以下のような形式が良いのではないかと。

当会社の社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合には、当該社員の相続人その他の一般承継人は、他の社員全員の承諾を得て、持分を承継して社員となることができる。

大きな違いは、相続するときに無条件で社員になれるか、承諾が必要か。です。

例えば若者3人くらいで合同会社を作って、運悪く1人が亡くなって、中途半端に意欲のある親御さんなんかが社員になったら大変ですよ。 合同会社は他の社員*4を入れるには「全社員の承認」が必要だけど、こいつが色々と口を出してきたらどうすんのよ。っていう。 もちろん滅多にあることじゃないけど、freeeさんの規模で事業として広めちゃったら、何人かはここでモメるんじゃないかなー。

その他の諸々

他にも「ゴシック体でダサい。明朝体にしようよ。」とか色々思うところはあるのですが、特に上記はクリティカルです。

僕もざっと以下の2冊の本を読んだだけなんですけど、この程度はさっと理解できたので、もし合同会社を作ろうと思ってるなら、ちゃんと読んだ方が良いんじゃないかなぁ。

LLC(合同会社)の設立・運営ができる本

LLC(合同会社)の設立・運営ができる本

関連ツイート

関連して以下のような所も思ったので貼っておく。

追記とか

上にアフィリンク貼ったけど、以下のように結構性質の違う本でした。

黄色い「LLCの設立・運営ができる本(五十嵐博一著)」の方は、概略がふわっと分かる感じで、何も分からないところから読んでもある程度なんとなく分かる本。図も多いしラフな感じで読みやすい。

合同会社設立・運営のすべて(神崎満治郞著)」の方は、より専門的な視点から書かれた本で、多少の法律用語が出てくる。その分内容は信頼がおけるし、リファレンスもあるのでさらに深いところを追ったりしやすい。会社法の原文とかもwikibooksに乗ってるから、ぐぐれば出てくる。

*1:例えば、NTTドコモの定款では「当会社は、株式会社NTTドコモと称し、英文では、NTT DOCOMO, INC.と表示する。」と書かれている。

*2:もちろん書いてなくても会社法の内容が準用されるわけだけど、書いてあった方が素人には親切。そしてこのサービスを使う人は大抵が素人だと思うのだが…?

*3:会社法第595条の利益相反については書いてるのに、なんでこっちは書いてないの?

*4:合同会社における社員は、ざっくり言うと株式で言う所の役員も株主の両方のこと