あおみかんのブログ

フリーランスのIT系エンジニア。ゲーム制作スタジオ4th cluster代表。

僕のことを書いたエッセイが出るので買ってください

文学フリマに「社長の彼氏ができました」というタイトルのエッセイが出ます。 そう、僕の事を書いたエッセイです。最近付き合い始めた彼女が書きました。いわゆるひとつのノロケってやつです。

最後にもう一度リンクしますが、11/23に行われる文フリで売られるようです。

c.bunfree.net

せっかくなので、エッセイっぽく紹介してみます。

※ 以下、普段と少し文体が変わります。

この本は、僕についての本だ。だが同時に、彼女の本だ。 文章自体にタイトルをつけるなら「ライター志望の彼女が出来ました」ってところだろう。

けれど、僕は何も私生活の全てを切り売りして君たちに提供したいわけじゃない。何かを開示する義務があるわけでもない。ましてや彼女の持つ様々な障害について事細かに描写してバリアフリーの啓蒙がしたいわけでもない。僕たちの日々は僕たちだけのものだ。 ただ僕は、彼女への気持ちを文章の形で表出したいだけだ。君たちはそれを横からかすめて読むに過ぎない。 公開されないものは、世界にとって存在しないのと同じだから。 誰かの人生の彩りや糧になるかもしれないから。

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やはりここでは僕から見た彼女の話をしよう。 彼女の第一印象は、付け入る隙のあまりない、しっかり者だ。愛想がよくて、背筋をピンとして、どこか自信ありげに座っている。 彼女と出逢った時は、僕にも彼女にも交際相手がいたし、見た目がタイプな訳ではなかったから、特にそういった気持ちはなかった。

数ヶ月前、数年同棲していた彼女と別れ、メインの拠点をつくばに移した僕は、他にすることもしたいことも思い至らず、デスクに向かい続けていた。デスクに向かったまま出来る息抜きはしていたけれど、きちんとした休息は取っていなかった。 誰かと喋りたいけれど、都内で飲みに誘って一晩潰すのはコストに見合わない。なんてことを考えていた中で、ちょうどいい物理的な距離感にいたのが彼女だった。 彼女はとても察しが良い。紅茶を淹れてくれて、話を聞いてくれる。特に話題が見つからないけれど何か喋りたいときには、彼女は上手に話題を思いつく。 その先はブログに書くにはあまりにあんまりなので、彼女の視点で読むといい。書きすぎなぐらいに書かれている。

彼女と僕の関係は、とても上手く行っている。それには理由がある。 彼女が出来ることと僕の出来ないこと、僕の出来ることと彼女の出来ないこと、それが噛み合っていた。物的な「できる」だけではなくて、きっと「気遣い」とかそういう事も含めて。

彼女は中腰になってすること全般が難しい、僕には出来る。 彼女は今は金を稼げない、僕には少しは出来る。 彼女は人混みを歩くことが難しい、僕は周囲の人間の動きを警戒しながら道を作ることが出来る。 …けれど、逆もたくさんある。 僕は自分の感覚的な機敏にあまり気づかない、彼女はよく気づく。 僕は食事をいい加減に済ませて消耗する、彼女はそこをフォローしてくれる。 僕は何日も一人でいる事に耐えられない、彼女といると居心地が良い。 僕は学校で習うような常識的な知識がところどころ壊滅している、彼女は学校で習うような事は完璧だ。 僕は節約ができない、彼女は出来る。

僕らは違う分野の出身で、出来る事も違う。けれど何処か同じ世界の実現を目指している気がする。

あるいは別な理由を挙げることも出来る。 僕は昔人工知能の分野を志していたから、認知科学や心理学の基礎知識があり、これが彼女の感覚過敏や非定型発達的なことを説明されれば理解することが出来た。 僕は腰痛持ちだから、彼女の腰から足の痛みを理解し少しばかり対策する事が出来た。 彼女は感覚過敏持ちだから、僕もまた聴覚や視覚に過敏性があることに気付いてくれた。

スピーディーな共依存関係と言っても良いが、恋愛なんて少なからず共依存関係だと思う。

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型にはまった人生なんてごめんだ。常識なんてくそくらえ。そんな歌詞が流行ったのは80年代だろうか、90年代だろうか。何だか最近は耳にしなくなった。 不景気が極まってきたのか「普通が一番だよね」という感じ。と言いつつ、毎日のように上司の愚痴をTwitterにこぼしている。とても気持ちいい生き方とは思えない。けれど皆が「大企業の正社員」を目指している。「安定」「定職」「定時」が流行の言葉みたいに飛び交っている。

僕は生まれた家庭環境が、そういう人生からは遠かった。それなりの大学に入ればあとは格差とは無縁と思っていたけど、そうでもなかった。 彼女は、誤解を恐れずに言うなら、自分に合わないレールを無理に走った結果、普通の人生から遠ざることになった。

このエッセイは、そういう普通じゃない人生を垣間見る形で楽しんで頂けるものだ。「ジャスティンビーバー」みたいなセレブのハチャメチャ人生とも違う、「苦役列車」で描かれたような堕落寄りの人生とも違う、どこか普通っぽいけれど、普通じゃない人生だ。

よかったら読んでみて欲しい。僕らの生き様を。

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