あおみかんのブログ

フリーランスのIT系エンジニア。ゲーム制作スタジオ4th cluster代表。

「どうぶつタワーバトル」がヤバい

ちょっと余談から入ります。

先日、星のカービィシリーズスマブラシリーズを手がけた桜井さんの記事が上がってました。

news.denfaminicogamer.jp

以前もCEDECでの公演内容がGIGAZINEに載ってたのですが、Web向けに丁寧にスライドやスクショを含めて校正されたものになっていました。

タイトルと何が関係あるのか。と言われそうなので今回のトピックを明確にしてみます。

一見すると、テキトーにゲームジャムで作ったようにも見える「どうぶつタワーバトル」ですが、桜井さんが指摘しているゲーム性の本質を綺麗に突いている、っていう話をしようと思います。

どうぶつタワーバトルとは何か

どうぶつタワーバトル

どうぶつタワーバトル

  • Yuta Yabuzaki
  • ゲーム
  • 無料

play.google.com

どうぶつタワーバトルは、iOS/Android向けの対戦ゲームアプリです。 Unity製っぽいです。

作者のYuta Yabuzakiさんは「レモン メロン マカロン」などのちょっとシュールでシンプルなゲームを作っている方…のようです。詳しく知らないですが、今回突然ゲームを作られた訳ではなく、何作も作ってきた方だという事だけは知っておきたい部分ですね。

「リスクとリターン」に基づいて考える

記事の全編にわたって「ゲーム性の本質とはリスクとリターン(リワード)である」という事が語られています。

ルールを作ってPvPにさえすれば、ある程度は満たせる事が多いと思うんですが、どうぶつタワーバトルはこれを高い精度で満たしているように思います。

  • 安定させて置くと、対戦相手もその上に置きやすい(リスクを取らないとリターンも少ない)
  • 不安定に置くと、対戦相手はその上に置きにくい(自分が負けるリスクを負うことで相手を倒しやすいリターンを得る)

極めてシンプルですが、綺麗にリスクとリターンが表裏一体になっていると思います。

「遊びと人間」に基づいて考える

さらに、最初に上げた記事の3ページ目には、4つの「人間の持つ遊びの要素」が「遊びと人間 (講談社学術文庫)」から引用されていました。孫引きで好ましくないですが、構成の都合上、ここにも引用していきます。

1. アゴン=競争:対戦や勝負事、受験やテーブルゲームなど 2. アレア=偶然:ギャンブル、じゃんけん、ダイスで振って決めるのものなど 3. ミミクリ=模倣:ごっこ遊びや、演劇、テーブルトークロールプレイングゲームなど 4. イリンクス=めまい:ブランコやジェットコースターなど、感覚に訴えるもの

こう並べてみると、どうぶつタワーバトル、かなりシンプルでありながら、4つ全てをかなり高い精度で満たしていると思います。 沿うように書き下してみます。

  1. ネット上でマッチングする対戦ゲームであり(アゴンを含む)
  2. どのどうぶつを引くかはランダムであり(アレアを含む)
  3. 現実のどうぶつの写真が積み上げるモチーフになっている(ミミクリを含む?…こじつけ気味ですが…)
  4. 現実の物理法則に沿ってゆらゆら揺れたり落ちたり綺麗に乗ったりする(イリンクスを含む) *1

如何でしょう。ミミクリはまぁ、ちょっと的外れてるかもしれないんですけれど。

ジェンガの話もしておく

ていうかジェンガじゃん、って言われる気がしたので先にちょっと書いておきます。

ジェンガとの差分は、案外結構あります。

  • どうぶつ出現のランダム性によって、下手でも勝てる余地がそこそこある
  • 負けた時に「ガラガラガラッ」ってならずに間抜けにどうぶつが崩れていくだけなので、そんなに不愉快じゃない*2
  • 得意不得意が大きく分かれる3次元的な指先の器用さは求められず、目測と想像力のゲームになっている
    • 特にジェンガは「指先器用ゲー」だと思うんですが、どうぶつタワーは「目測&予測ゲー」だと思います。このふたつ、結構違う。

おわりに

そんなわけで、どうぶつタワーは一見カジュアルな(だけの)ゲームに見えますが、シンプルながら要点を押さえたゲームだという話でした。

「どうぶつ」で検索された結果だろうというのは一因だと思いますが、でも、流行るだけの理由がありますね。

個人的には、全体的にシュールな感じがかなり好きです。

*1:正しくはニュートン力学の近似に沿って、となりますが

*2:個人差あるけど、数人の友人の前で何かを失敗するのは、そんなに愉快では無いと思います