あおみかんのブログ

フリーランスのIT系エンジニア。ゲーム制作スタジオ4th cluster代表。

欧米式「個人主義」の育て方の話(「サピエンス全史」の中で気になったことのメモ)

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

発刊から話題の止まないこの書籍の中で、本題ではないけれど、ちょっと興味深い話があったのでメモ。

文脈としては、古代バビロニアにおけるハンムラビ法典の記述では市民に階層があること、バビロニアでは、階層によって等価として扱われる事が大きく違うことなどに言及し「子は親の所有物である」という価値観が浸透していたとするくだり。

以下に僕が気になった所を引用する。

現代の理想的な住宅は、他人の目から遮られ、最大限の自主性を提供できるプライベートな空間を一人ひとりの子供が持てるように、多くの小さな部屋に別れている。こうした個室にはほぼ確実にドアがあり、多くの過程では、子供がドアを閉め、さらにはカギをかけることまでもが認められている。親でさえ、ノックして許可を求めずに入ることを禁じられている。

(サピエンス全史(上) p147 より)

数万年にわたる世界中の人類に思いを馳せた著者が、これを「現代の理想的な住宅」と言及しているのは、かなり興味深いことだと思う。欧米でのなどと限定する句を入れ忘れるくらい、彼の中ではこれが「理想的」と感じるのだと思う(※著者はイスラエル人)

まぁ個人的には、それが理想的だと思うけれど、日本人の多くの人は、むしろ抵抗感があるんじゃないだろうか。親子の絆とか、家族の団らんとか、そういうのが失われる的な。世代による差がかなりありそうですけどね。

さて、昨今の日本は「個人主義」が広まっていると言われるが、これは本当なんだろうか。個人主義の良さは他人(社会)にあまり引っ張られずに、自由意志で行動できる事だと思うのだけど、そういう精神性を育てるには、上記のような環境が必要なのではないだろうか。

この短い文章を読んで思ったのは、現代の日本は、個人主義に必要な精神性を幼少期〜思春期の間に確立することもせず、大人になると個人主義的な強い自我の発揮を求めるっていう、一貫性のない状況になってるんじゃないかなーと言うことだった。

欧米と日本の差異というのは、やはり気になる話題で、こういった海外書籍の中にあるちょっとした記述に、根本的な認識の違いが垣間見れて面白い。